「うちの子、ほかの犬と遊ぶのが苦手みたい…」「人や物音にすぐに怖がるけど、少しずつでも慣れてくれるかな?」こんな悩みを抱えている飼い主さんは多いのではないでしょうか?社会化不足は「治す」ものではなく、犬のペースに合わせて「慣らしていく」ことが大切です。犬にもそれぞれ性格があり、もともとの気質として怖がりな子もいます。そのため、すべての犬が社交的になれるわけではありません。愛犬を無理に変えようとするのではなく、「わんちゃんの性格に合った社会化の進め方」をすることがポイントになります。今回は、成犬の社会化不足を克服するためのステップと、わんちゃんに合わせた対応方法を詳しく解説します。目次▼犬の社会化とは?成犬になってもできるの?社会化とは?社会化とは、犬が周囲の環境やほかの動物、人間と適切に関わる力を身につけることです。この力が不足すると、「犬が苦手」「人を怖がる」「物音に敏感」 などの問題が出てきますが、成犬になってからでも少しずつ慣らすことは可能です!ワンデミーでも「社会化は、子犬に必要なものですよね?」「子犬のときにできなかったから、今からじゃ遅いですよね?」という質問をいただくことがありますが、好奇心旺盛で怖いもの知らずな子犬の時期が社会化のベストタイミングではあるとお伝えしています。子犬のうちにさまざまな経験を積んでおくと、その後の犬生が豊かで穏やかなものとなるため、子犬のうちに社会化させることが最近は特に重要視されています。しかし、正しい手順で行えば、時間はかかっても成犬が社会化することももちろん可能です。また、一度社会化できたら終わりではなく、わんちゃんの一生を通して続けることが大切です。特に新しい状況や環境、年齢を重ねたときに、以前に経験した社会化が大いに役立ちます。わんちゃんも、人間と同じ様に過去の学びを活かして、行動することができるのです。人も、生きている限りさまざまな人やものとの出会いがあり、学びもあります。わんちゃんも同じで、新しいも人やもの、犬と出会い学んでいきます。過去の学びを活かして、見知らぬもの、犬、人、物音などがあっても「あのときは怖くなかった」「大丈夫だった」と過剰に反応せずスルーしたり、「こうやって遊びに誘ったら一緒に遊べて楽しかった」「挨拶はゆっくりすれば上手にできた」など考えて行動できるようになります。社会化不足の犬が見せる行動・犬や人を怖がる・近づこうとしない・散歩中にほかの犬を見ると吠える・逃げる・知らない音や環境に対して過剰に反応する・動くもの(自転車や車)を怖がる・追いかける・ほかの犬と遊ぶのが苦手・じゃれ合いができないこれらの行動が見られる場合、社会化がまだ十分でない可能性があります。しかし、犬の個性を尊重しながら、無理なく少しずつ慣れさせることで、より落ち着いて過ごせるようになります!成犬の社会化不足を克服するための5つのステップ① 無理に近づけない!犬のペースを大切に社会化不足の犬は、知らないものや苦手なものに対して強い恐怖を感じます。このとき、無理に近づけたり、急に触れさせようとすると、逆に恐怖心が強くなってしまいます。そのため、以下のような方法で、怖くないことを伝えます。・少し離れた場所から観察させる・徐々に距離を縮める・上手に接することができた場合は褒める例えば、「ほかの犬が怖い」場合は、例えば公園のベンチに座りながら遠くの犬を眺めるところから始めて少しずつ距離を縮めるなどが効果的です。② ポジティブな経験を増やす社会化不足の犬は、「新しいもの=怖い」と感じやすくなっています。そこで、新しいものに対して「これは怖くないよ」「嫌なことがあっても楽しいことがあるよ」とポジティブな経験を積ませることが大切です。・新しい環境に行くときは、お気に入りのおもちゃやおやつを持参・怖がらない程度の刺激を与えながら「いい子だね!」と褒める・少しずつ慣らし、安心感を与える例えば、車の音が苦手な犬なら、大丈夫だよと声をかけながら近くの公園まで少し歩き、公園についたらめいっぱい遊びます。嫌な経験も「楽しい経験」で上書きしてあげることがポイントです。徐々に苦手意識を克服できますよ。③社会化は継続するもの!長期的に維持する意識を持つ社会化は、一度やれば終わりではなく、成犬になってからも続けるべき長期的なプロセスです。犬は新しい環境に対して敏感で、しばらく経験しないとまた怖がることがあります。例えば、「子犬の頃は大丈夫だったのに、成犬になってから急にほかの犬を怖がるようになった…」 というケースも少なくありません。そのため、定期的にほかの犬と触れ合う機会を作ったり、新しい場所に連れて行くことで、社会化を維持することが大切です。 犬の幼稚園や社会化クラスを活用することもおすすめ!人やもの、他の犬と遊ぶのが苦手な場合は、犬の幼稚園を活用することもおすすめです。犬の幼稚園を活用すると、例えばこんなメリットがあります。・専門のトレーナーがいる環境で安全に社会化を学べる・犬を理解したトレーナーが人に対するポジティブな印象を与えることができる・相性の良い犬と少しずつ交流できる・ほかの犬と遊ぶ楽しさを知ることができる・新しい場所に行って、そこで過ごすことで学びが増える・飼い主から離れて、自分で解決できたという自信を持つことができる「ドッグランは怖いけど、犬の幼稚園なら安心!」という犬も多いので、無理なく社会化を進めるのに最適です。愛犬が怖がりな場合、苦手なことを避けてあげたくなる気持ちはよく分かりますが、これを続けると良い経験が得られず、ますます怖がりになってしまいます。犬の幼稚園では、プロのトレーナーが犬の性格に合わせた方法でサポートし、無理なく成長できるように進めていきます!ワンデミー幼稚園でも、人や犬が苦手な子には、まずは同じ空間にいることから慣れてもらいます。トレーナーはわんちゃんの様子をよく見て、少しでも行動ができたらしっかり褒めて、わんちゃんに成功体験を与えます。怖くて動けない子にとっては、他の犬が寄ってきたときに匂いを嗅ごうとほんの少し身を乗り出すこと、お水を飲むこと、排泄すること、みんなのいる空間でおやつを食べることなども、できるようになれば大きな一歩です!とくに「愛犬のためだと思っても、怖がる様子を目にすると社会化がなかなか進められない」という飼い主さんには、プロのサポートが得られる幼稚園がおすすめです。まとめ:わんちゃんのペースで社会化を進めよう!成犬になってからでも、社会化不足は少しずつ克服できます!成犬の社会化不足を克服する3つのステップ無理に近づけない!犬のペースを大切に(少しずつ慣れさせる)ポジティブな経験を増やす(「楽しいこと」を関連づける)社会化は継続するもの!長期的に維持する意識を持つ焦らず、犬のペースに合わせてゆっくりと社会化を進めていきましょう。わんちゃんの個性を大切にしながら、少しずつ慣れさせることで、安心して楽しく過ごせるようになります!