私たちの生活には、仕事や外出、急な用事などで犬を家に残して出かけなければならない場面があります。愛犬にとって留守番は避けられないものですが、果たして「何時間までなら大丈夫?」と不安に思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。この記事では、犬の年齢や性格、心の状態によって異なる「お留守番の限界時間」について、子犬・成犬・分離不安のある犬の3つのパターンに分けて解説します。犬の気持ちを理解し、安心してお留守番してもらえるようにするためのヒントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。目次▼子犬のお留守番:基本は「短時間から慣らす」が鉄則子犬は留守番が苦手!その理由とは?子犬(生後2ヶ月〜6ヶ月程度)は、まだ生活リズムやトイレの習慣が安定していない時期です。トイレが完璧にできるようになるまでは、排泄の合図を見てトイレへ連れて行き、とにかく成功率をUPさせることが鉄則!そのため、トイレトレーニングのためにもお留守番はできるかぎり短くしておくことが望ましいです。また、特におうちにきたばかりの子犬は精神的にもとても敏感で、母犬や兄弟犬から離れて不安を感じやすい状態。このため、長時間ひとりにされると強いストレスを感じたり、いたずらや無駄吠え、トイレの失敗などの問題行動が出やすくなります。子犬の理想的なお留守番時間目安:1〜3時間以内が限界成長に応じて少しずつ延ばしていく必要がありますが、最初のうちは1時間以内が望ましく、最大でも3時間程度にとどめておくのが安心です。子犬を留守番に慣れさせるコツ外出の前にたっぷり遊んでエネルギーを発散させるクレートトレーニングをして「安心できる場所」を用意する外出・帰宅時に大げさに構わない(特別なことと思わせない)成犬のお留守番:生活習慣に合わせて調整を成犬はお留守番に慣れてくれる1歳以上の成犬は、ある程度の時間を一人で過ごすことに慣れているケースが多く、生活のリズムも安定してきます。ただし、犬種や性格、これまでの環境によって大きく差があるため、「何時間でも大丈夫」とは言い切れません。成犬の理想的なお留守番時間目安:4〜6時間以内が理想、最大でも8時間程度精神的なストレスの蓄積を考慮すると、6時間程度までにとどめるのがベストです。ただ仕事などでどうしても長時間になる家庭も多いかと思います。退屈しないように、噛んで遊べるおもちゃを与えるのもおすすめです。また、家族に様子を見てもらったり、ペットシッターや犬の幼稚園(ドッグデイケア)を活用するのも良い方法です。長時間のお留守番時は、犬の幼稚園の活用もおすすめ犬の幼稚園では、日中の預かりサービスに加え、犬同士での遊び、社会化のトレーニングも行われます。犬の幼稚園のメリット他の犬やスタッフと交流することで刺激を得られる飼い主が帰宅する頃には心も体も満足している留守中の問題行動を予防できる特に社交的な犬やエネルギーが有り余っているタイプには非常におすすめです。費用は1日あたり6,000円〜7,000円程度が相場ですが、週に1〜2回の利用でも十分な効果が期待できます。お家に帰る頃には、疲れてぐっすりという子も多く、散歩につれていくのもなかなか大変という飼い主さんにもおすすめです。分離不安の犬の場合:時間の長さより「心の準備」が重要分離不安とは?分離不安とは、飼い主と離れることに強い不安やストレスを感じ、留守番中に問題行動を起こす状態のことです。たとえば、以下のような症状が見られる場合は分離不安の可能性があります。飼い主が出かける準備を始めただけで落ち着きがなくなる留守中に吠え続けたり、家の中を荒らすトイレの失敗や自傷行為がある分離不安の犬に留守番をさせるときの注意点時間ではなく、「不安のコントロール」がカギ分離不安のある犬には、時間の長さよりも「一人でいられる訓練」が必要です。短時間でも強いストレスを感じるため、無理に留守番させるのは逆効果になることも。幼稚園の活用で分離不安を軽減分離不安の犬にとっても、犬の幼稚園は非常に効果的です。信頼できるスタッフと過ごし、飼い主と離れる時間にポジティブな経験を積むことで、「一人でも大丈夫」という感覚を育てることができます。どうしても留守番が難しい子には、こうした外部のサポートを積極的に取り入れていきましょう。改善のためのステップ数分単位の外出から始めて、徐々に時間を延ばす飼い主の外出に対する「予兆」を減らす(鍵の音・服装など)幼稚園を利用し、飼い主と離れる時間にポジティブな経験を積むお留守番は「愛犬の性格と状態に合わせた対応」が大切犬にとってのお留守番の「限界時間」は、年齢や性格、過ごしてきた環境によって大きく異なります。大切なのは、「何時間ならOK」と一律に決めるのではなく、愛犬の気持ちに寄り添いながら少しずつ慣らしていくことです。もし長時間のお留守番が必要な場合でも、事前の準備や工夫次第でわんちゃんのストレスを軽減することができます。お留守番中も楽しく過ごして欲しい、ひとりにしておくのが不安などの場合は、犬の幼稚園もぜひ活用してみてくださいね。