犬との暮らしは、毎日にたくさんの癒しや喜びをもたらしてくれます。けれど、「ただかわいがる」だけでは、犬は本当の意味で人間社会の一員にはなれません。そのために欠かせないのが、「社会化(しゃかいか)」です。特に、生後3ヶ月(12週齢)までの社会化は、性格や行動のベースをつくる“もっとも大切な時期”。この時期にどんな経験を積むかによって、落ち着いた性格になるか、不安や恐怖から吠えたり噛んだりといった「問題行動」が出るかが大きく変わってきます。この記事では、・社会化ってなに?・なぜ「3ヶ月」がゴールデンタイムなの?・今すぐできる社会化トレーニングって?…という内容を、やさしく解説していきます▼目次 社会化とは?なぜ必要なの?「社会化」とは、犬が人間社会の中で安心して暮らしていけるように、さまざまな人・音・環境・物などの刺激に慣れていく経験のことです。たとえば…人間(大人・子ども・帽子の人・眼鏡の人など)他の犬や動物音(掃除機、雷、車、工事音など)環境(動物病院、車内、公園、スーパー前など)物(傘、自転車、段差、カートなど)これらを知らずに育った犬は、恐怖心や不安から吠える・噛む・逃げるといった行動が出やすくなります。また音を聞いただけで怖がってしまうようであれば、生活そのものがわんちゃんにとってストレスになってしまいます。社会化で得られるメリットわんちゃんの一生を左右するといっても過言ではない社会化のメリット。社会化ができていることで日常生活はもちろん、旅行やおでかけも一緒に楽しめるようになります。・人や他の犬に慣れて、良い関係を築きやすくなる・トリミングや動物病院でのストレスが減る・環境の変化や音に驚きにくくなる・問題行動の予防につながる。 生後3ヶ月までが社会化のゴールデンタイム「社会化期」と呼ばれる生後3週〜14週齢(約3ヶ月半)の時期は、初めての経験に対して「怖い」と感じにくく、ポジティブに受け入れやすい貴重な時期です。この時期を過ぎると、警戒心や不安が強く出るようになり、慣れるまでに時間がかかることも。こんな社会化、今すぐ始めて!① 人とのふれあい信頼できる人と、少しずつ関わる時間をつくっていきましょう。特に怖がりな子や慎重な子は、「最初のふれあい」がとっても大切!犬とふれあうときのポイント:・まずは、ゆっくり匂いを嗅がせる・急な動きや大きな声を出さない・犬が落ち着いたら、背中をやさしく撫でる・無言ではなく、名前を呼んだりやさしく話しかける② 家の中での音慣れ掃除機やドライヤー、インターホンなどの生活音に慣れていく練習です。最初は小さな音・短時間から始めましょう。怖がる場合は、電源を入れずに床に置いて、「これはドライヤーって言うんだよ」「怖くないよ」とやさしく声をかけてあげてくださいね。③ 環境慣れ・モノ慣れ傘や自転車など、さまざまな物を見せる段差や感触の違う床を歩くカートやバッグでお出かけし、動物病院の前まで行ってみる など④ 無理なく、ポジティブに無理に近づけたり、我慢させる必要はありません。おやつや褒め言葉で「いいこと」と結びつけるのがコツです。「見てごらん、これは〇〇だよ」とやさしく紹介しながら、興味を持ったらにおいを嗅がせてあげましょう。💡 ワクチン前でもできる社会化の工夫抱っこやカートでお散歩ワクチン済みの犬と室内でふれあい公園のベンチで社会の様子を見せる(音や人など)感染リスクとのバランスも大切なので、獣医さんと相談しながら無理のない範囲で進めていきましょう。犬の幼稚園 ワンデミーが考える「本当の社会化」とは?「社会化=慣れさせること」と思われがちですが、ワンデミーではそれに加えて、「人と共に、豊かに生きていく力を育てること」まで含めて、“本当の社会化”と考えています。例えば、こんなことを幼稚園では教えています。犬同士で学ぶことあいさつの仕方、遊びの誘い方相手の気持ちを尊重する(嫌がることをしない)性格や体格に合わせた距離感・関わり方苦手な相手への接し方・距離の取り方唸らず、噛まずに我慢すること人との信頼関係人と過ごすことが「楽しい」と思えるようになる指示を聞く、体を預ける経験を重ねる触られること、服やハーネスを身につけることに慣れる人から褒められる喜びを知る自信と落ち着きクレートで安心して過ごすオムツ・マナーベルトへの慣れ音や物・新しい場所でも吠えずに落ち着く刺激の多い環境でも食事や排泄ができる怖がらず、好奇心をもって行動できるこれらは「今すぐできること」ではなく、“経験を重ねて、できるようになっていくこと”。ワンデミーでは、その「できるまで」を丁寧にサポートしています。幼稚園ならできる「遊びながら社会化」ワクチン2回目を終えた子犬から通園OKの幼稚園が多く、室内で安心して他の犬たちと関われる場所としてもおすすめです。おうちで他の犬とふれあうのは意外と難しいもの。散歩やドッグランで出会う犬たちが、必ずしも上手に遊べるとは限りません。実際、幼稚園に来られる方からも、「他の犬に吠えられて、犬嫌いになってしまった…」「ドッグランで全然遊べない」「先住犬も社会化不足で、迎えたばかりの子犬と一緒に過ごせない」というお声を聞くことは少なくありません。ワンデミーでは、犬の個性・性格・ペースに合わせて、トレーナーが寄り添いながら社会化をサポートしています。「犬との遊び方を学ぶ」「距離感を覚える」「相手の気持ちを感じる」そんな小さな一歩を、園生活の中で積み重ねていきます。今しかできない「一生の土台づくり」を生後3ヶ月は、犬の一生を左右する“ゴールデンタイム”。この時期に「安心できる」「楽しい」と感じる経験を積ませることで、将来の安定した性格と行動につながります。おうちでの工夫に加えて、ワンデミーのような犬の幼稚園を活用するのもひとつの選択肢。プロと一緒に、あなたの愛犬の“未来づくり”をサポートしませんか?